忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

イキウメ『見えざるモノの生き残り』

若干SF色薄めな気が。


↓以下ネタバレ


若干SF色薄めのイキウメ。
わりと心理とか哲学みたいな話になってた印象でした。
非現実を現実に変えていく前川マジックが好きなので
ちょっと物足りなさはあったりも。
まぁでも伏線の張り方と会話のテンポは見事でした。
初日だからか惜しいところを噛んじゃう役者さんがいたのが残念。
イキウメワールドは、カチッと見事に組み合わされた
会話と脚本に魅力を感じているので。
ラストの種明かしには役者の技に舌を巻きました。
流れとして読めてはいたけど、だからあそこで二回すべったんだね!


テーマは「幸福とは?」というシンプルかつ深いもの。
ケセランパサランと梅沢夫妻の流れには泣きそうになりました。
盛さん…!岩下さんの淡々とした中に感情の流れを包む演技もとても好き。
岩下さんは一番私が"イキウメぽい"と思う役者さんだったりします。
浜田さんは相も変わらずカッコよかったですね。マジはんぱないです。
あの無感情にドSな感じで踏んづけられたいです。たまらん。

狭き門より入れ

明日世界が終わるとしたら。


↓以下ネタバレ


家族の確執物と記憶喪失物に弱い私は大号泣でしたよ。
色々書こうと思ったけど、いざパソコンに向き合って書こうとすると
上手く言葉が出てこないなー。


亀様が思いのほか声高めだなーと思いました。
手塚さんは"恐竜と隣人の(ry"以来でしたが、カッコよかったです。長かった。
中尾君*1は可愛かったです。笑
…て、これじゃ小学生の感想文だな!w


前川氏のホンがやっぱり好きです。
言葉遊びは健在でしたね。そして見せ方もストーリーも好き。
今回テーマの選択とかがちょっと一般向けにしてあった印象がなくもなかったけど
それでもやっぱりゾッとする世界とか
平然とおかしい人とかは変わらずガツンときました。
不思議なことに、イキウメっぽさはない。と思う。
イキウメ以外の前川作品は、抜け穴の会議室、ウラノス、と観て三本目ですが
どれもイキウメとは違った前川ワールドな印象です。*2
これをイキウメでやったら、どっちがいい悪いとかではなく
また別の世界が展開されるんだろうなぁ、という感じ。たぶん私はどっちも好き。笑


こういうの観ると、柄にもなく自分だったらどうするか、なんて考えちゃいます。
世界が終わる前の最後の一日に、何をするか。


記憶を失うことは、悲しいことで、でも悲しくないことが、悲しい。
あーもーこういうの弱いんだよー!うぁーん!*3
門が閉まる前に「兄貴!」と呼んだ声がもーダメでした。
その前の兄弟の会話と親父さんについての話でもグスグスきてたんですがね。
家族の確執系にも弱い。わかっていながら泣けちまうんだぜ。
あー。よく泣きました。


舞台上でたっぷり魅せる佐々木蔵之介氏はすごいと思う。
でも髪型はパーマじゃないほうが個人的には好み。個人的には。笑

*1:いまだにわが家では"小林少年"と呼ばれているw

*2:ウラノスは演出が青木豪氏だったのもあるかもだけど

*3:昔から記憶喪失系が涙腺ビンゴで、古くは姫ちゃんのリボンで姫子がエリカにリボンを返したあとの日常から、最近だと電王のゼロノスのくだりまで…って途中までしか見てないけど、とにかく"幸せに暮らすために誰かが忘れられる"ストーリーに弱いのです

劇団桟敷童子『ふうふうの神様』

いやぁ、ミラーボールを見たときはどうなることかと思った。笑
歌う椎名さん観ながらどこのURASUJIかとげふんげふん


ストーリー的には怪奇現象系で、まぁ私の好みかといえばうーんなのですが
それでもやっぱりゾクッとしたし、泣いたし、面白かったです。
歌がオリジナルだったらよかったのにな~。
昭和の名曲オンパレードでしたね。
異邦人から始まって、魅せられて、迷い道、冬が来る前に、と。
個人的にはオリジナル曲のが好きだからちょっと残念。
舞台装置は、ついに崩壊しましたね。笑
あの地響きにはビビったw
紙吹雪はもう少し丁寧に作ればダマにならずに綺麗なのに~と残念でした。


もりちえさんの色気がぐっと増しててビビりました。笑
外山さん×ヨネクラさんのコンビ、大好きです。


いやぁ、今回はどうなるのかと思いつつみてましたが
村の人々の本当の姿が暴かれたシーンは本当にゾクッときましたね。
稲葉さんのギャップが一番鳥肌でした。なるほど白血病か。

リチャード三世

演劇というかある種のショーというか。
戯曲読んで演出のイミを考えてニヤニヤしたい作品。
古田新太すげぇ~って感じではなかったけど、古田新太はリチャードでした。


↓以下ネタバレ


古田新太目当てで行ったのに銀粉蝶に惚れて帰ってきたというw
でもホントにこの芝居は女キャスが見事でした。
エリザベスとヨーク公夫人とマーガレットのシーンが本当によかった!
アンとかは割りと影薄かったからいいやどうでも。笑


たぶんすごく斬新な演出。
日本でやったシェイクスピア劇を観たことないから詳しくは知らないけど。
舞台上にいくつもモニターがあって
リチャードの独白やマーガレットの呪いの言葉が
文字となって画面上に読める形で現れていました。
うん、すごくいいと思う。笑


もともとの話を知らなかったのでストーリーを追うのでいっぱいいっぱいでした。
最初は退屈だったけど、物語の四分の一くらいきたところで面白くなってきたw
ただ、リチャードとバッキンガムの台詞が所々聞き取りづらかったのがなぁ。
古田氏は現代劇のほうが口に馴染む印象があります。まぁ二回しか観てないけど。

イキウメ短篇集

やっぱこの人すげぇや。

  1. 賽の河原で踊りまくる「亡霊」
  2. 輪廻TM
  3. ゴッド セーブ ザ クイーン
  4. 瞬きさせない宇宙の「幸福」


安井順平氏が出ててビックリしたわ。笑
あんた、本業は!?いや、役者の姿すごく好きだからいいんですがw
(てか今ウィキ見て知ったけど、散歩する侵略者で真治やってたの!?)


1.賽の河原で踊りまくる「亡霊」
Don't think!Feel!
ダンボールが小石。ダンボールを積んでいく。
「ドベが次の鬼になるのは決まってるじゃないか」
カテコでハラグロがちゃんと鬼になってたのがなんか笑えたw
システム化された冥界の入り口と干上がった三途の河。
次の過程が"復習の時間”なことに私はちょっと感動した。
「考えても仕方ない、受け入れるんだ」
鬼もまたつらい仕事だったというわけで。
「ドMの鬼なんていねぇんだよ!」は個人的に今回のMVP。笑
金棒が軽かったのが残念。
いや、鬼にとって軽いのはいいんだけど投げたらそりゃ軽い具合に着地するわな。
どう見せればいいんだろうねああいう場合。


2.輪廻TM
輪廻タイムマシン。
オカマちゃん濃かったなー。笑
56億7000万年先には何があったのか。何もなかったのか。
彼は弥勒菩薩の一部だったのか。
なんか発想が火の鳥的だよね。あ、逆か。
今回の四篇の中ではちょっと弱かった印象。


3.ゴッド セーブ ザ クイーン
タイトルについて後から考えてみると、じゃぁやっぱりあの二人は神だったのか。
もうねー。天野君がツボすぎてねー。
浜田さんの演じるああいう役が大好き。本当に好き。
やる気ないし興味薄いんだけど力はある感じが好き。
浜田さんのキャラ*1と前川氏の軽快な言葉遊びで生まれる魅力的な人物。
自殺するつもりなのにハイテンションな神崎がかわゆかったw
罪に罪を重ねてる癖にまるっきり悪びれてないのが素敵。
殺しちゃったのーって。おい。笑
なんかそういう軽さが好き。この軽さの持つ怖さが好き。
コートジボワールのコーヒー農家の息子でもよかったのにな~」
60年生きたあとに生まれ変われば初の女性天皇。あ、また日本に生まれるんだ。


天野君がちゃんと"移りかわった"のは見事でした。
違和感なく普通に浜田信也の身体から伊勢佳世の身体へ
天野の魂というかそういうものは移っていったよ。
すげかった。ちょっと感動すらした。
イキウメ的でなかなかお気に入りの一遍。


4.瞬きさせない宇宙の「幸福」
ヤバいよヤバいよヤバいよヤバいよ。
鳥肌たった。最後のゆーーーーーーっくりフェードアウトする暗転に。
いやね、展開というかオチは読めたんですよ。
だって短篇集だからそんな長い話じゃないし
となるとやっぱり隕石を落として三人とも目が離せなく…ってことかと。
だけどね、私はカットアウトかと思ったんだ。
カットアウトですべてが終わってしまって現実世界に引き戻すってのは
わりとよく使われてる手法だと思うのね。
だけども…そっか。フェードアウトか。世界滅んでっちゃうよ。
三人笑ってるよ。めっちゃ幸せそうだよ。
でもまるで夕日が沈むように光は消えていくんだ。
ホント鳥肌立った。ヤバい。こわい。


SF、は、少し不思議、のSF。これもそんなお話。
宇宙人こわい。
あーそっか、ありえるよねーって思わせる前川氏の腕前。
見事に騙されるんだけどそれが気持ちよくてまた観に行っちゃうの。
イキウメの世界。イキウメの空間。私の好きな場所。生きて彼岸を覗く。


隕石が落ちてきたお話。
隕石は幸せを運んできた。見てると幸せになる。
何もできずにただただ目を奪われる。そしてその間の記憶はない。
ラッパ屋は隕石を回収していた。なぜなら彼は宇宙人だから。
渋谷で起きた大きな事故。ラッパを吹く天使の描かれた黒い看板。
真実を知る三人は四国の田舎から立ち上がろうとするが…。


森下さんの変態部長が素敵すぎましたw
これも後からタイトルよくよく考えるとゾクッとするね。

*1:いや、本物の浜田さんがああいう人だってことじゃなくw

冬の絵空

何が本物か。何が謀りか。人の証の立て方とは。


いやぁ~、生瀬さんは生瀬さん節全開だし
仁さんは舞台上でもめっちゃ仁さんのまんまでしたね。笑
忠臣蔵をモチーフとは言ってたけど全然お固くないいい芝居でした。
ストーリーは平たく言えば、役者が代わりに忠臣蔵やっちゃったって感じです。
平たく言い過ぎたな…。
浅野さんは生きてて死んだのは実は影武者で
大石さんは吉良さんとこに討ち入りしたくはないんだけど
手下である赤穂浪士たち(ヘタリアもびっくりのヘタレ達)が討ち入りする気満々で
浅野さん本人も討ち入りしてほしくて
商人の天ノ屋さんは役者の宗十郎に、娘のお軽をあげるから
大石さんのフリをして正義のヒーローをやってくれと頼むわけです。
んだけど娘さんは"彼の演じる"大石内蔵助に惚れちゃって
本物の大石内蔵助と結婚。
その大石さんは、吉良さんと浅野家再興の約束を取り付ける。
そんなわけで討ち入りの話はなしになるのですが、宗十郎さんはあくまで
最後まで"大石内蔵助"であるために、赤穂浪士を引き連れて討ち入りを決行する。
まぁそんな感じ。(あばうとー


虚構で固められた忠義。
天ノ屋利兵衛さんの「不自由なきこそ不自由」という台詞が印象深い。
信ずるものに命をささげるを美徳とする。
赤穂浪士とシロ。
仁さん演じる"犬の"シロはキリシタンで、
人間だと罰せられてしまうから"犬になった"という人物。
台詞は基本的に「わおーん」で、時々はじっこで
七色インコの玉三郎みたいなこともしてる。笑
だけど彼が最後の最後、お軽を斬ろうとする大石内蔵助
斬ってかかっていくところは本当にカッコよすぎでした。
ズルいよ~。ありゃズルいよ~。笑


本物の大石内蔵助はどっちだ。
「本物の大石様は私たちを見捨てない」
堀部安兵衛カッコよすぎる。
でもある意味それは憧れとかそういうものに対する
虚構でしかないともいえるんだよね。
だって本物の大石内蔵助は飲べえで討ち入りする気ゼロだったんだし。


本物の浅野内匠頭長矩はどっちだ。
「田んぼの臭いがしたのでな」
堀部安兵衛カッコよすぎる。
でもこの際事実なんてどうでもよかったんだろうな。
浅野内匠頭長矩が処刑されたという事実あってこその忠臣蔵の美しさですし。
事実がどうであったか誰にもわからないというのもこの戯曲の面白さかと。
私は大石が間違えるわけないから本物の浅野さんだったと思うけどね。
でも会ってすぐに影武者の奴の評判聞いてたから影武者の奴だったともとれるか。


そして吉良上野介が何故かゲイ。笑
粟根氏怪演ですよ。キッチュさんのもちょっと観たかった気はしますがw
"妻"の伊達ちゃんがまたいい味出してました。
殺陣はカッコよかったけどね。


役者は虚構に生きる者か。
衣装と化粧をとって何が残るか。

むー。まだまだ色々考察したい部分はあるのですが
いかんせん三時間の芝居なんて久々に観たもんだから
ディテールまで覚えてなくてorz
そのうちテレビでの放送きぼんぬ。(うわー
でもなー。WOWOWとかな気はする。キューブだし。DVD買えよって話か。


それにしてもやっぱり大舞台でやっている役者さんが集まると本当に見事ですね。
ストップモーションとかハンパない。本当に時が止まったかと目を疑うわ。
今回は声にエフェクトかけるためにところどころマイクを通しちゃってたのが
ちょっと残念でしたが、やっぱり大舞台でも響く役者さんの声って言うのは
聞いててすごく耳障りがいいとも実感しました。
基本的に流行の女優さんは苦手というか女優にあんまり興味のない私ですが
中越典ちゃんは本当にすごい役者さんだと思います。

Bye Bye SUPERSTAR

四十路アイドルに夢中です。笑


↓以下ネタバレ


吉祥寺シアターにて。いやぁ無駄に天井高いなぁw
演劇としてはストーリー、演出、舞台、役者ともに微妙でしたが
もはやアイドルの追っかけみたいな気分なのでオッケーです。笑


やっぱり音楽畑出身の池田アポロは
他の役者畑の面々と比べるとどうしても…ですね。
見てて集中切れちゃうのは池田アポロきっかけが多かったです。
まぁまだ初日初ステですからね。きっとこれから、です。*1
そう考えるとジャ●ー●出身はやっぱり伊達じゃないわと思いました。<曾我アポロ
噛みまくりではありましたがw
みのすけ氏は私の師匠にちょっと似てます。見た感じとニコニコしてるのが。笑


名前間違えまくり→最後に正しくって小ネタはなかなか好きです。ホロッとくるよね。
ストーリーは、うーん。なんか微妙。
LOVE or PEACEという考え方の片鱗を見た気がして、それはよかったんですが。
パンフ未購入、明日か明後日に買いに行く予定なのでその時改めてまた感想を。
客席に絡む演出は客喜びそうだなぁと思いました。
普通の劇団とかより追っかけ要素が強い客層でしょうからw


原田@草野さんが両膝ちょっこり揃えてウクレレ弾いてる姿に萌へ(*´∀`)
個人的にはあんまり好きな類のキャラではなかったんですがね、今回の草野さん。
高い声より低い声のが好きなのに~。
イマイチどの人もキャラが立ちそびれてた感があった気がします。
安保を巡っての物語もイマイチ感情移入しづらかったし。
それは私がリアルタイム世代じゃないからとかではなく、池田アポロが(ry
ギャグも"はい、笑って~"って感じのが多かった印象。まぁ笑ったけど。(←沸点低い
ラストの月森兄弟の振り返りストップモーションはカッコよかった!
曾我アポロのあの衣裳の似合いっぷりは反則だよね。ヒッピーなのに。笑
四十路にて十代二十代を演じきる曾我アポロ素敵!かこいい!
だけど掃除のジイサンは演技っぽい演技だったから
本当にジイサンだったて理解しづらかったよ。まぁヅラかぶるわけにもいかんしなぁ。

  • 劇中&カテコ・EC演奏曲
    • LOVE or PEACE
    • Bye Bye SUPERSTAR
    • あの空で月は待ってる
    • 3度目の15の夜
    • アポロでドライブ

順番適当です。笑
やっぱアポロは生がイイね。
ちなみにBye Bye SUPERSTARはみのすけアポロがメインボーカルでした。

*1:追記:ありゃ、初日は昨日でしたか。失礼。