忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

イキウメ短篇集

やっぱこの人すげぇや。

  1. 賽の河原で踊りまくる「亡霊」
  2. 輪廻TM
  3. ゴッド セーブ ザ クイーン
  4. 瞬きさせない宇宙の「幸福」


安井順平氏が出ててビックリしたわ。笑
あんた、本業は!?いや、役者の姿すごく好きだからいいんですがw
(てか今ウィキ見て知ったけど、散歩する侵略者で真治やってたの!?)


1.賽の河原で踊りまくる「亡霊」
Don't think!Feel!
ダンボールが小石。ダンボールを積んでいく。
「ドベが次の鬼になるのは決まってるじゃないか」
カテコでハラグロがちゃんと鬼になってたのがなんか笑えたw
システム化された冥界の入り口と干上がった三途の河。
次の過程が"復習の時間”なことに私はちょっと感動した。
「考えても仕方ない、受け入れるんだ」
鬼もまたつらい仕事だったというわけで。
「ドMの鬼なんていねぇんだよ!」は個人的に今回のMVP。笑
金棒が軽かったのが残念。
いや、鬼にとって軽いのはいいんだけど投げたらそりゃ軽い具合に着地するわな。
どう見せればいいんだろうねああいう場合。


2.輪廻TM
輪廻タイムマシン。
オカマちゃん濃かったなー。笑
56億7000万年先には何があったのか。何もなかったのか。
彼は弥勒菩薩の一部だったのか。
なんか発想が火の鳥的だよね。あ、逆か。
今回の四篇の中ではちょっと弱かった印象。


3.ゴッド セーブ ザ クイーン
タイトルについて後から考えてみると、じゃぁやっぱりあの二人は神だったのか。
もうねー。天野君がツボすぎてねー。
浜田さんの演じるああいう役が大好き。本当に好き。
やる気ないし興味薄いんだけど力はある感じが好き。
浜田さんのキャラ*1と前川氏の軽快な言葉遊びで生まれる魅力的な人物。
自殺するつもりなのにハイテンションな神崎がかわゆかったw
罪に罪を重ねてる癖にまるっきり悪びれてないのが素敵。
殺しちゃったのーって。おい。笑
なんかそういう軽さが好き。この軽さの持つ怖さが好き。
コートジボワールのコーヒー農家の息子でもよかったのにな~」
60年生きたあとに生まれ変われば初の女性天皇。あ、また日本に生まれるんだ。


天野君がちゃんと"移りかわった"のは見事でした。
違和感なく普通に浜田信也の身体から伊勢佳世の身体へ
天野の魂というかそういうものは移っていったよ。
すげかった。ちょっと感動すらした。
イキウメ的でなかなかお気に入りの一遍。


4.瞬きさせない宇宙の「幸福」
ヤバいよヤバいよヤバいよヤバいよ。
鳥肌たった。最後のゆーーーーーーっくりフェードアウトする暗転に。
いやね、展開というかオチは読めたんですよ。
だって短篇集だからそんな長い話じゃないし
となるとやっぱり隕石を落として三人とも目が離せなく…ってことかと。
だけどね、私はカットアウトかと思ったんだ。
カットアウトですべてが終わってしまって現実世界に引き戻すってのは
わりとよく使われてる手法だと思うのね。
だけども…そっか。フェードアウトか。世界滅んでっちゃうよ。
三人笑ってるよ。めっちゃ幸せそうだよ。
でもまるで夕日が沈むように光は消えていくんだ。
ホント鳥肌立った。ヤバい。こわい。


SF、は、少し不思議、のSF。これもそんなお話。
宇宙人こわい。
あーそっか、ありえるよねーって思わせる前川氏の腕前。
見事に騙されるんだけどそれが気持ちよくてまた観に行っちゃうの。
イキウメの世界。イキウメの空間。私の好きな場所。生きて彼岸を覗く。


隕石が落ちてきたお話。
隕石は幸せを運んできた。見てると幸せになる。
何もできずにただただ目を奪われる。そしてその間の記憶はない。
ラッパ屋は隕石を回収していた。なぜなら彼は宇宙人だから。
渋谷で起きた大きな事故。ラッパを吹く天使の描かれた黒い看板。
真実を知る三人は四国の田舎から立ち上がろうとするが…。


森下さんの変態部長が素敵すぎましたw
これも後からタイトルよくよく考えるとゾクッとするね。

*1:いや、本物の浜田さんがああいう人だってことじゃなくw