忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

『ブロッケンの妖怪』

 ある秋の日の午後。絵本作家の打越(竹中直人)と担当編集者の黒柳(生瀬勝久)、そして、打越の放浪癖と浮気性を心配する恋人の桃(安藤聖)が、高地にある大きな湖の真ん中に浮かぶ小島を訪れていた。そこには城のような洋館が建っており、それが島の敷地のほとんどを占めている。
 霧の濃い日はその霧に洋館の影が映り、湖の上にもう一つの洋館が現れるという。「ブロッケン現象」と言われるものだ。霧に映った洋館の影を虹が囲む、その美しい光景を、打越たちは取材にきたのだった。
 洋館には日ノ原虹子(高橋惠子)という女主人と娘の小真代(佐々木希)、使用人の若い男・稲井(大貫勇輔)が暮らしていた。他に、生活に必要な品を本土から運んでくる船乗り・泊(田口浩正)も出入りしている。
 だが、会話や態度にどこかしらギクシャクしたものが感じられる日ノ原家の人々。不審に思う打越と黒柳らは、嵐の夜に、この洋館と家族を巡る驚くべき秘密に遭遇することになる。

竹生企画ふたたび。
えぇっ、前回が4年前?
信じたくないものです……ふふふ。

個人的に、映像を多用した舞台作品があまり好きではないため
なかなか空気感にノるまでに時間がかかってしまって残念。
テンペスト』とかも、それで萎えたのよねぇと
ずいぶん昔の観劇記憶を呼び起こしたり。

なんだか竹中氏のキャラクターに
どうもスッと入り込めず……
聴きよいトーンの少し下の声でずっと喋っていて
はしゃいでスキップしたりするところも
ちょっと無理に上げてる印象が最初はあったなぁ。
繊細な力技師(笑)田口氏が出てきてからは
だいぶ勢いに乗って観れるようになりましたが。

佐々木希嬢は、映画『さいはてにて』の時も思ったけど
スカしたりフテたり、無理にワルい子を演じようとすると
すごい演技演技しちゃうね。
お嬢様キャラの方はすごいよかった。

4年に一度、湖の向こうから「あちらの世界」がやってきて
選ばなかった選択肢のその先を垣間見ることができる物語。

稲井君@大貫勇輔が、ただただツボでした。
あちら側の稲井君も、こちら側の稲井君も。
超好き。すごく好き。あんな二面的俺様執事に守られたい。
ただの萌えの話。

通路芝居の時に生瀬さんが30cmほどの距離に来て
心臓止まるかと思いました。ばくばく。
あちら側の黒柳をやっている生き生きした生瀬さん、好き。笑

世界が交錯してからはだいぶ楽しめたんだけど
なんとなーく、入り込めるまでに時間がかかっちゃった作品でした。