忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

鵺的『幻戯』

『昆虫系【改訂版】』でドハマりしたのだけれど
なかなかタイミングが合わなくて、観れなかった劇団さん。
久々に観たのだけれども、やはりすごく良かった。
こういう世界観ってすごく好き。
目の前でググッと凝縮されて押込められた人間の感情が
チラチラと青い炎のように揺れる。素晴らしき観劇体験。

最終日に行ったけど、これは二回観たかったなぁ。
アフタートークで謎解き部分が解決したからよかった。

日登美役の松葉祥子さんが、繊細に丁寧でよかったです。
玖美子役の秋沢弥里さんにも、目を奪われましたが。
いるよね、ああいう風俗の娘さん。
煙草の匂いが、すごくよかった。雰囲気として。
演出としての煙草、今ではなかなか難しくなってると思うけど
(演出でも嫌という方、生理的に苦手な方などいるので)
私個人としては、もっともっとあって欲しい演出です。五感で楽しみたい。

布見繪が「玖美子」と呼ばれたところでは、本当に身を乗り出してしまった。
状況が理解して、すっと繋がりはしたのだけど、だからこそもう一度観たかったな。

舞台美術も素敵でした。
あの和室はすごい。扉をあれだけ乱暴に扱う演技に耐える装置。
カッコイイです美術さん。
照明も、残した明かりの消え方なんかが幻想的で、やっぱこうだよなぁ、と。
暗転中の音の使い方にも感心しきりでした。