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忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

鵺的『幻戯』

『昆虫系【改訂版】』でドハマりしたのだけれど
なかなかタイミングが合わなくて、観れなかった劇団さん。
久々に観たのだけれども、やはりすごく良かった。
こういう世界観ってすごく好き。
目の前でググッと凝縮されて押込められた人間の感情が
チラチラと青い炎のように揺れる。素晴らしき観劇体験。

最終日に行ったけど、これは二回観たかったなぁ。
アフタートークで謎解き部分が解決したからよかった。

日登美役の松葉祥子さんが、繊細に丁寧でよかったです。
玖美子役の秋沢弥里さんにも、目を奪われましたが。
いるよね、ああいう風俗の娘さん。
煙草の匂いが、すごくよかった。雰囲気として。
演出としての煙草、今ではなかなか難しくなってると思うけど
(演出でも嫌という方、生理的に苦手な方などいるので)
私個人としては、もっともっとあって欲しい演出です。五感で楽しみたい。

布見繪が「玖美子」と呼ばれたところでは、本当に身を乗り出してしまった。
状況が理解して、すっと繋がりはしたのだけど、だからこそもう一度観たかったな。

舞台美術も素敵でした。
あの和室はすごい。扉をあれだけ乱暴に扱う演技に耐える装置。
カッコイイです美術さん。
照明も、残した明かりの消え方なんかが幻想的で、やっぱこうだよなぁ、と。
暗転中の音の使い方にも感心しきりでした。

2013年観劇録(思い出したら追加)

10月
THE REDCARPETS『ママは悪魔』

8月
カタルシツ『地下室の手記

3月
劇団鹿殺し『BONE SONGS』
エビス駅前バーreboot『捨てる』
ゴアゴアガールズ『俺がヤギでもその手紙だけは食えない』

2月
『ウェルズロード12番地』
鵺的『幻戯』

1月
組曲虐殺』

身内うけユニット7%竹『墓場にて、竹。』

活動停止公演と聞いて。
以前A-1グランプリにて短編は観たことあったので楽しみに行った。
笑いまくりの非常によい時間をすごせたし
こういうものなら何時間でも観ていられるなと思った。

しかしこの手のぶっ飛んだコメディってどうやって作るのだろう。
ある種頭がぶっ飛んでらっしゃるんだろうなーと思った。
音や動きを重視した、意味などないギャグに関しては
乱雑天国あたりとルーツが同じなのだろうかと感じた。
考えなくとも反射的に笑えるから、いい。
身内うけユニットって断言してる意味をなんとなく理解したし
断言した上で、ニッチな笑いを攻めてしかし手は抜かないところが
非常に好感をもてた、というかイイネと思った。

浜松ユタカ氏(動物電気)の可愛らしさがちょくちょく私のツボをつく。
反則な方ばっかり出てらした。
岡山誠さん(ブルドッキングヘッドロック)とタバスコって、それだけで面白いよね。

てへりんこ☆ペローニャ

グスコーブドリの伝記

宮沢賢治の名作が、また杉井ギザブローで映画化と聞いて。
でも正直期待はずれだったというか原作殺しだったというか
デジタルアニメをわざわざスクリーンまで観に行くこともなかったかなというか
えーっとそんな印象でした。

全体的に繋ぎが雑で、展開が唐突な印象。
眉毛って重要だなーと思った。表情の変化を表すという点においてね。
見終わった後に青空文庫で原作も読んだけど
映画で「?」となったところが、ちゃんと伏線として張られていたり
丁寧に表現されていて、なんだアニメ化は改悪かーって気分になりました。

具体的に言えば

  • ネリの行方
  • てぐす工場とはなんだったのか
  • あの魑魅魍魎はなんだったのか
  • 火山局に勤めるよう言われた理由
  • 父と母の行方

あたりでしょうか。

まずネリの行方、というかそもそもネリに何が起こったのかということ。
映画だけだと、抽象的な"山の神"的なものにさらわれたように見えて
しかも結局最終的な結末に関わってこないため
「あれは飢えで死んだの?」というモヤっとした感じで終わりました。
ついでに言うと、効果が非常にファンタジー的なものであったため
番宣でのあおり文*1と相まって、千と千尋的なストーリーを期待してしまいました。
原作だと、ブドリはちゃんとネリと再会してるんだよね。
ネリと再会して幸せを掴んだ上で、飢饉を回避するために自ら火山に飛び込むわけで。
えー、一番大事なとこ台無しやん!という印象。

てぐす工場も、なんか映画版だと夢オチみたくなってましたが
原作だと、火山の灰が原因でダメになっているのですよね。
それが後半の、火山局の話に繋がっていくわけで。

ブドリが火山局に配属された理由も、クーボー博士の提示した問題を
もっと火山に関係ありそうなものにしたら、通りもよかったろうにと思いました。
(原作では「煙の色にはどんなものがありますか」というくだりがあったはず)

魑魅魍魎や裁判のくだりは、原作にはない部分で
余計現実離れしてしまう一因になったのではという印象。

ファンタジー色よりも、もっと原作に忠実に現実を厳しく描いていったほうが
「この時期に災害に立ち向かう物語をやる意味」はあったのではないでしょうか。
というか、最後のブドリの行動が"自らの意思か"どうかをもっとしっかり見たかった。

結局よくよく考えてみると、筋を追う映画ではなかったのかなーという。
じゃぁ何を楽しむかって、画としての美しさなんでしょうけど
私個人の話で言えば、セル画大好きのデジタルアニメやCG苦手な人種なので
なんだかどうもそこにも感動できなかったなーという結果になりました。
魑魅魍魎の建物シーンの異化効果的なのとか、あざとくて好きじゃない。
劇団イヌカレーさんくらいやってくれれば別なんだけどさ。

うーん。
セルアニメ映画は劇場までわざわざ行くまでもないかなという結論が出てしまいました。
でも『おおかみこどもの雨と雪』は気になってる。。。

【追記】
他の方のレビューを読んでいたところ
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』が
魑魅魍魎シーンの手がかりとなるとの記述を発見。
恥ずかしながら未読なので、あとで読む

*1:厳しい自然の中で、愛する故郷や人々を守るため強い心で困難に立ち向かう主人公ブドリの姿を描く

さんすくみ 4

さんすくみ 4 (フラワーコミックスアルファ)

さんすくみ 4 (フラワーコミックスアルファ)

かわいいやつらめ!
読んでて自然に勉強になるのはありがたい。面白いしね。
佐々木倫子が好きな人は好きだと思う。
と、人に薦める度に言っている。

ぴんとこな 1

ぴんとこな 1 (Cheeseフラワーコミックス)

ぴんとこな 1 (Cheeseフラワーコミックス)

わりとフツーに少女漫画だった。
この先どう歌舞伎が絡んでくるのか。

殿様ランチ『正義について』

「柑橘系の融通の利くあの方」(劇団Twitterより)が
ゲストトークの回にお邪魔してきました。
うん、セットで見れてよりおいしかったと思います。

ずいぶん今までの殿ランと印象が違うなーという感じでした。
良くも悪くも、期待を裏切られたというか。
殿ランには、話に必死についていこうとしなくても
ゆる〜く笑える、あの感じが好きで今回もそういうものを求めていたので*1
おぉ、そう来たか、とちょっとビックリしたというか。

あんまりよく思われないであろう言葉のチョイスをするのなら…
うん、イキウメっぽかったです、ちょっと。笑
というか『ミッション』に通じるテーマが見えた。(かぶってる、とも言う)

殿ランが『正義について』なんてタイトルでくるからどうひねってくれるかと思いきや
むしろ直球どストレートだったなぁ、と。

もちろんイキウメはイキウメの、殿ランは殿ランの見せ方をちゃんとチョイスしてて
それには本当に大満足だったのですが。
ただ単に…ゆる〜い笑いを求めすぎてただけなの…私が…。

小久保剛志、杉岡あきこ、平塚正信ら劇団員の
印象的なグッと来る「悲しみ」や「諦観」の表現が見れたのが一番の収穫でした。
特に小久保さんの「泣いてる?」という台詞を受けての表情。
それと火事で焼け落ちた自分の店を見ているときの表情。
こういうのが見たくて、劇場に足を運んでるんだよぉぉというくらい"刺さる"表現でした。
寄り添う杉岡さんがまた、いいんだ、これが、ほんと、ね。
平塚さんの「マニュアルなんです」の表情も、よかったなぁ。

逆に小笠原佳秀氏の、苛立ちとか戸惑いとかやるせなさの表現が
このメンバーと比較して、ちょっと一辺倒に見えてしまったのが残念。
というか小笠原氏、何頭身なのでしょう。足細いな〜とひたすら思っていました。

常連客演服部ひろとし氏の、デフォルメとリアリティの見事なバランスが素晴らしい。
というか服部さんはもう出てるだけで素敵です。はい。(笑)
レスアンドポンス、ぜひピンで物語が見たいですね。いやはやホントホント。

スーパー板さんタイム最高でした。
出るって思ってなかったから、ビックリしちゃいましたよ私。

新たな一面を発見しちゃったような
それでもちゃんと根底にあるものは変わらないんだなっていうような
そんなことを考えた一作でした。とさ。
最終日飛込みで観に行けてよかったです。

*1:「腹をかかえるのは疲れるから、肩を震わすくらいなら手伝いましょう」というコピーが好き