忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

恋する妊婦

面白かった!面白かった!!
…けど、コクーンでやる劇じゃなくない?笑


↓以下ネタバレ


岩松了氏の脚本・演出をみるのは舞台では初めてだったんですが、いやぁすごい。
一見不条理で不可解に見える言葉や動きですが
全部本当に生きている人間だからこそ出てくるものでした。
パンフ読んでて役者さんたちの稽古の付け方とか面白いなって思いましたよ。
一回観ただけじゃ理解・把握しきれなかった所もあったので脚本が欲しいです。
いや、ホントはもう一回観たいくらいなんですがね。


コクーンじゃなくてもっと小さな劇場で小さな劇団で観たかったな、てのが本音。
役者も、荒川良々姜暢雄を揃えるようなものだったかな…という印象。
合ってなかったとか、ましてや下手だったという訳では決してなく
なんというかちょっと派手というか豪華だったんじゃないかなぁ。贅沢というか。
まぁこれは私の個人的な印象なので。
パンフに小劇団への書き下ろしとあったのが納得できたように
敢えてのこのキャストはあまり好みじゃなかったかな、と。
役者さんはすごく好きなんですよ。もちろん演出も。


しかし、今回はコクーンシートでの観劇だったんですが…。
隣のカップルの男性が一幕で爆睡!ふざけんな気が散る!!
しかも二幕では開いてるA席の方に移動してました。
…そっち2000円くらい高価な席なんですが。あんたらもういい大人でしょうが。
そんな感じで集中できない一幕でした。まぁコクーンシートだから仕方ないね。


砂羽さん脚細っ白っ長っ。
映像系の印象が強い女優さんだったんですが
舞台もめちゃめちゃ素晴らしいじゃないですか!
砂羽さん節炸裂でしたね。素敵だわぁ。
難しい役どころなのに見事に物語の柱となってました。惚れるわぁ。
大森南朋さんって、これで"ナオ"って読むのね。パンフ見て衝撃。*1
森本亮治さん、私の脳内相棒サーチエンジンに引っかかるなと思ったら
正月のカシオペアSPでした。しかも平岩紙さんまで!
姜クンは二枚目の役が観れてよかったです。
ホレスタと犯さん哉の印象しかなかったから…。笑
やっぱり長身ですねぇ。セットが小さく見えたくらい。
美術は島次郎さんでしたね。橋泣けといい、この方の美術は素敵です。
コクーンだからこその魅せ方が得意なんだろうなぁ。よくわかんないけど。
桟敷童子の塵芥さんと並んで好きな美術さんです。


飛んでる虫を掴んだ比喩とか、最後に座長が秀樹にじゃれた理由とか
絵美子や福田の存在理由とか、解釈できるところがまだまだ沢山あります。
慎之介の心の機微や、橋本さんの立場ももっと掘り下げて考えてみたい。
たくさん突っ込んで考えられる脚本。嬉しくて楽しみでたまらないです。

*1:ずっと"なんぽう"だと思ってた。笑