忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

劇団四季『異国の丘』

なんていうか"お芝居"なんだよなぁ。


↓以下ネタバレ


途中まで観てて思ったんだが……これなんてウエスト・サイド物語
ダンスパーティーで知り合って恋に落ちたが、愛しあうことが許されない立場の二人。
両方の和解のために奔走するも、よく知った人間の凶弾に倒れる。
うん、ウエスト・サイド物語チック。笑
よくあるパターンなのかしら。悲劇の恋的な。


なんかね、予想通り"お芝居"なんですよね。パフォーマンス的というか。
発声も喋り方も明らかに大舞台のソレだし。踊るし舞台装置は動くし。
それは例えばCATSやライオンキングなんかのような
"物語"や"ファンタジー"でならこの演出は申し分ないと思うんですよ。
だけどもこの題材(シベリア拘留)をこのテのミュージカル化しちゃうと
どうしてもフィクションくさくなっちゃうと思うんですよね。
"事実"なはずなのに"物語"であるかのような距離ができてしまう。
悲痛な想いや記憶を刻んで遺していきたいなら
華美なダンスや豪華なセットは余分だと思うんですよ。私は。
だって、本当に彼らが歌った歌には
豪華なオーケストラの伴奏なんかなかったわけじゃない。


あとは「名もなき青年たちの様々な夢や希望が奪われて…」とか言いながら
主人公が総理の息子って全く"名もな"くない立場なのがイラッときました。
特殊な立場の人物を軸に描いておきながら
"名もなき人々も~"って言い出す作品って嫌いなんですよね。
クソ食らえ、って思います。
どーせ本当の"名もなき"人々なんて描く気ねぇんだろ、
変哲もない人物たちの物語なんて作れないんだろ!って思っちゃいます。


まぁ私自身が昭和モノは桟敷童子至上主義的なところがあるってのも
あるんでこんな毒舌なんですが。笑
あぁー。軍鶏307がもっかい観たいなぁ。再演しないかなぁ。
ちなみに、弾丸MAMAERの昭和モノはその時代を描くというよりは
どちらかといえば根本的かつある種の普遍的な人間の生き方を描いていると思うんで
なんというか昭和モノくくりにするのが自分の中で違和感あります。なので置いとく。


結論というか思ったのは、
CATSかウエスト・サイド物語観てぇなーってことです。まる。


追伸。神田役の人が背格好や声が岡森さんにそっくりだった。
岡森さんの演技のが好きだけどね、私は。