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忘れながら生きてる

観劇や読書の備忘録。基本ネタバレ全開。敬称略でごめんね。

阿佐ヶ谷スパイダース『失われた時間を求めて』

きたぜベニサン・ピット

ヤバい。劇場が私を呼んでいる。小劇場のニオイが私をくすぐる。
これから芝居が始まるのだ。芝居が始まるために許された心地よい空間。
たまらん。たまらなさすぎるぞベニサン・ピット。
これは桟敷童子の泥花を観た中野光座の空気によく似ている。
あそこは古い映画館を改造したものだったけど、こちらは確か元は倉庫。
ある意味すみだパークスタジオの状況にも近いのかも。
すみだパークスタジオと言えば、桟敷童子の軍鶏307ですよ。
桟敷童子は舞美が評判なだけあって本当に劇場の空気がすごいんだな。
全てが引き込まれる。
小劇場独特の、ぐるぐると渦巻いた、あぁ芝居なんだぜこれから!っていう
そういう空気が本当に幸せです。
そういえば小さいハコは久しぶりだからなぁ。この空気はウラノス以来。
(だってトラオは"劇場"と違かったし、世田パブはオサレなんだもん!笑)
うぉ~。胸が高鳴ります。堪能して参ります。ひゃひゃ。

作品感想

帰り道がわからない広場に取り残されたような。
心地よくも気持ち悪い不思議なフワフワした感覚。


↓以下ネタバレ


こういうタイプの芝居は初めてでした。嫌いじゃないです。
(ただ、友達誘わなくてよかったとは思うw)
ずいぶん抽象的で、たった一回観る人にはけっこう不親切だわ。笑
何回でも観に行きたくなっちゃうね、きっと。絶対その度に発見がある。
日参してる演劇系ブログの管理人さん(伊達さんが好きらしい)が
ヘビーリピーターになってたけど、納得できる気がするよ。笑


男(中山祐一朗)は誰を待っていたのか。
男(長塚圭史)と男(伊達暁)は結局どちらが兄でどちらが弟だったのか。
女(奥菜恵)は男たち(長塚・伊達)の母親だったのか。エプロンの意味は。
オードリーの行方は。
男(長塚)と男(伊達)でオードリーが消えた日の遠さが違うのは何故か。
男(伊達)と女(奥菜)の関係は?*1
男(中山)が動物園の男の話を持ち出したのは、結局女(奥菜)の見解通りの理由か。
何かを見つけたのでなく、覚えていて欲しかったから…。
確かなものとは?
「夜」
飛び出してきた。でも、回りをグルグル回っていただけ。
「乗っかったのは正しかったのよ」
でも、絡まってしまった。
何故、序盤のあのシーンでゴミ箱は揺れたのか。
ゴミ箱は「これまで」で落ち葉の散らかる広場は「ここ」
そもそも落ち葉の比喩(あるいは象徴)するものって?
出口は本当に出口だったのだろうか。


あー、幸せ(*´∀`)
いや、こういうのグルグル考えて余韻に浸るのが大好きなのです。
答えは見つからなくてもいいの。というか見つかるわけないし。鶏頭だもん。
BSででも放送があったら、その時は何度でも見返して色々考えたいですw


中山さん、やっぱ演技すごかったなぁ。狂気を秘めてる人は好き。
それにしても眼鏡ないだけでずいぶん印象違うね。
長塚さんは…思ったより老けて見えt(ry脚長いっすね!
奥菜恵ちゃんとの身長差がたまらなくツボでした。恵ちゃん可愛いなぁ。
伊達さんは…なんかアメリカのハイスクールドラマに出てそうだよね。笑
若く見えるなぁ、と思いました。飄々としたキャラが素敵だった!
確かにすごく魅力的な役者さんだわぁ、と納得。


舞台美術(あれ、舞台装置?)が恐ろしく素敵でした。透けるのが!!
こういう類の芝居苦手な人でも、あの仕掛け観るためだけに
チケ代払って行ってもいいんじゃない?ってくらい。笑
しかも透けた時に葉脈(だよね?)が浮かび上がってるのに気づいて…鳥肌。
こういう段差というか溝がある舞台は好きなので
劇中でも効果的に使われててウットリでした。
どん底や犯さん哉を手がけられた方だったのですね。納得!


ともあれ不思議で素敵な時間を過ごせました。
ん~、本当に余裕あればもっかい観たかった!

*1:"風呂"って単語から同棲中のカップルを連想したけど、親子ってのもありかなぁ